一般の歯医者でも受けられる歯牙移植治療の流れを解説します。(明石市の歯科医院)

 自家歯牙移植は同一口腔内において歯をある場所から他の場所へ移し替える処置を言います。通常、保存不可能な大臼歯を抜歯した部位へ、機能に参加していない智歯(親知らず)を移植することが多い処置になります。

「自家移植」の報告は1950年代からみられ、おもに歯根未完成歯の移植でありました。

1970年代から1990年代にかけて歯の移植に関する論文が多数発表されていますが、その多くは歯根未完成歯移植であり、その成功率は80%~100%と高く、歯根完成歯移植の成功率は25~100%とさまざまでありました。

歯根完成歯の移植においては根管治療の必要性が論じられ、歯根膜損傷による炎症性、置換性歯根吸収のメカニズムとその予防策についても検討され、術式や術後処置に関するコンセンサスが得られるにしたがい、歯根完成歯の移植においても80~90%の高い成功率の報告がみられるようになっています。

 当院(明石市の歯医者であるのむらファミリー歯科)においても自家歯牙移植を積極的に行っており、成功率を上げるために診査・診断を厳密に行っております。

当院の治療の流れは下記のようになっています(上記の図を参照)。

①初診:口腔内診察、歯牙移植についての説明

②資料採得:口腔内写真、歯列模型、X線検査(パノラマX線・CT)、この中でも最も大切な検査の一つがCT検査になります。

③症例検討:資料採得した情報を元に、移植治療が最も適しているかどうかを判断します。

④説明と同意:資料採得から検討した内容を説明致します。手術の流れ、手術に伴う合併症、成功率などのお話をして、実際に自家歯牙移植を行うかを話し合います。

⑤歯の移植手術:基本的には局所麻酔下で行いますが、恐怖心等がある場合は笑気麻酔を併用して行います。

⑥術後1週間目:糸取りを行います。移植した歯はまだ動揺がありますので、必要に応じて固定を行います。

⑦術後3週間目:移植した歯の動揺がすこしづつ落ち着いてきますので、根管治療を開始します。

⑧術後3カ月;根管治療が終了し、被せものの治療を行って、しっかり噛めるようにします。

⑨定期的にチェックしていきます。

 治療期間については概ね6か月程度になります。