ドクター
明石市の歯医者でも受けられる口腔がん検診について解説します。
口腔がんは日本全国で1年間に約11,400人が診断されています。男女別でみると、男性では1年間に約6,800人、女性では約4,700人と男性に多い傾向があります。年齢別では最も多いのは60歳代です。また、口腔がんの約6割は舌がんです。
口腔がんの5年生存率は60~80%と言われていますが、初期(Ⅰ期)で発見されると90%以上の生存率であることが報告されておりますので、如何に初期の病変で発見する事が大切であるかが分かるかと思います。
是非、かかりつけの歯医者さんでお口のケアーと共に口腔がん検診をうける習慣を身につけましょう!!
当院(明石市の歯医者のむらファミリー歯科)は日本口腔外科学会の認定医が診察致しますので、安心して口腔がん検診を受けることができると思います。
≪歯科医師が意識して行っている口腔がん検診の10のポイント≫
1 問診でリスク因子(喫煙、飲酒)を聴取する
2 口腔潜在的悪性病変は白い病変(口腔白板症)、赤い病変(紅板症)、その混在型(紅板白板症)がある
3 口腔潜在的悪性病変のうちの5%はいずれがんになるか(5年以内に)、既にがんになっている
4 原因を除去しても治らないか増悪傾向にある病変はすでにがん化している可能性が高い
5 つねに病態写真で記録して経過観察をする習慣をつける
6 口腔潜在的悪性病変の疑いがあれば観察期間は長くても2週間として直ちに口腔外科へ紹介する
7 生検(病理検査)は確定診断とともに細胞異型の程度、すなわちがん化のリスクを知るのに必須である
8 口腔潜在的悪性病変の早期発見、リスク介入はがん化を予防する最善の方法である
9 日常臨床で口腔粘膜を常に観察することを習慣とする
10 禁煙支援はすべての歯科医療従事者が行うべきである
≪口腔がん健診の実際について≫
・口腔外診査
頭頸部の視診・触診による非対称、疼痛、腫脹の有無などをチェックします。
リンパ節の触診による大きさ、数、圧痛などの診査を行います。
口唇、口腔周囲の触診・触診を行います。
・口腔内診査
診察する順番を決めて行い、見落としがないようにしています。
特に歯の裏側など診察しにくい部位は念入りに確認します。
舌の触診などを行い、しこりなどがないか確認します。
口腔癌の好発部位である舌はよく診察します。
診察する時はガーゼで舌尖部を把持して前方へ牽引して後方まで診察するようにしています。特に舌縁部の診察を行うようにしています。
あやしい病変、すなわち前がん病変(現在は口腔潜在的悪性病変と言われています)がある場合は細胞診を行い、細胞異形やがん化した細胞がないかの検査を行っています。
★OPMD(Oral Potentially Malignant Disorders):「口腔潜在的悪性病変」(前がん病変)とは、現在障害は起していないが明らかに異常な状態であり、悪性を強く疑わせる病変の事を言います。主な病態には下記のようなものがあります。
・白板症
・紅板症
・扁平苔癬