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口腔機能発達不全症とは?その原因と対策について

みなさんは「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう)」という言葉をご存知でしょうか?

これは、主にお子さんの成長期に見られる、食べる・話す・飲み込む・呼吸するといった口の機能の発達がうまくいかない状態を指す診断名です。2020年より保険診療の対象となり、歯科での早期発見・対応が求められるようになりました。

■ 口腔機能発達不全症の主な症状

以下のような症状がある場合、口腔機能発達不全症の可能性があります。
• 食事中にうまく噛めない、丸のみしている
• 飲み込みに時間がかかる
• いつも口が開いている(口呼吸)
• 舌が前に出る(舌突出癖)
• 発音が不明瞭
• よだれが多い
• 咀嚼や嚥下に左右差がある
• 顎の発育が悪い(小さい、後退している など)

こうした問題は、単なる「癖」や「成長の個人差」と思われがちですが、放置すると将来的に歯並びの悪化や摂食障害、発音の問題などにつながる可能性があります。

■ 原因はさまざま

口腔機能の発達不全には、以下のような複数の要因が関係していることが多いです。
• 幼少期の指しゃぶりやおしゃぶりの長期使用
• 柔らかい食事ばかり摂る食生活
• アレルギー性鼻炎などによる慢性的な口呼吸
• 姿勢の悪さや筋力不足
• 遺伝的な骨格や筋機能の特徴

■ どうやって治療するの?

当院では、以下のような方法でアプローチしています。
• MFT(口腔筋機能療法):舌・唇・頬の筋肉を鍛える体操やトレーニング
• 食事指導:咀嚼を促す食品や食べ方のアドバイス
• 習癖の改善:指しゃぶりや舌の癖への対応
• 必要に応じた矯正治療

お子さん一人ひとりの状態に合わせて、継続的にサポートしていくことが大切です。

■ まとめ

口腔機能発達不全症は、早期発見・早期対応がとても重要です。気になる症状があれば、ぜひお気軽にご相談ください。当院では、お子さんの健やかな成長を全力でサポートいたします。