ドクター

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指しゃぶりや口呼吸について、年齢ごとの対応について西明石駅が最寄り駅の歯医者「のむらファミリー歯科」が詳しく解説します。

乳歯列完成前 3歳までの指しゃぶりは無理にやめさせない

乳歯列完成前:0~2歳

 指しゃぶりのピークは1歳半~2歳ごろであり、吸啜反射の影響で指を吸い始めて習慣化したものや、不安や緊張の解消、心理的欲求不満などが原因として挙げられます。
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歳を過ぎても指しゃぶりが続いていると、歯並びや顎骨の成長に影響を及ぼす可能性があります。(開咬や上顎前突、歯列弓狭窄、臼歯部交叉合など)。しかし、3歳を過ぎると次第に指しゃぶりは減少していくと言われています。そのため、指しゃぶりの頻度や強さにもよりますが、一時的に歯列・咬合不正が生じても、4歳ごろを目安にやめられたら、その後の成長とともに改善してくることが多いですので3歳までの指しゃぶりは無理にやめさせる必要はないと思います。大切なのは爪噛みや舌突出癖など、他の習癖に移行しないことであります。

 次に口呼吸について考えていきます。
ここでしっかりと観察してほしいのは、口元の状態であります。「お口がぽかんと開いている」、「富士山のような上口唇をしている」、「よだれが多い」などの場合は早めの対応を検討した方がいいと思います。口唇の筋肉の発達のためには正しく離乳食を進めることが大切であり、授乳が長引いた場合の弊害(歯や口唇が閉じず、舌を前に突き出して母乳を飲む乳児型嚥下の残存)についても認識しておく必要があります。
コップを使った水分摂取では、上下の唇を協調させて前に突き出してコップを挟めるようになり、頬をすぼめながら連続して飲むことができるようになるため、8ヵ月ごろからコップ飲みの練習を開始するとよいでしょう。
また、ストローを使う場合は、ストローを舌の上に乗せたり歯で噛ませたりせず、上下口唇の中央で咥えさせることが大切であります。それにより、母乳を飲むような乳児型下の舌の動きではなく、唇を使って上手に吸引する練習になります。1歳過ぎに徐々に成人型嚥下(舌尖は口蓋に接し、上下の歯は接触して、口唇は軽く閉じた状態の嚥下)に移行できることで、口腔機能の正しい発達、さらには正常な歯列咬合に繋がります。口輪筋などのトレーニングとして、2歳前の子どもでも、「あっぷっぷ」と頬を膨らませる遊びや、唇を尖らせたり舌を「あっかんベー」と思いっきり出す遊びなどを取り入れるといいでしょう。。

乳歯列完成後 自信をもたせるような声かけを心がけ、お口ポカンの原因を探る

乳歯咬合完成後:3~6歳

指しゃぶり
歳を過ぎて指しゃぶりが続いた場合でも「指を吸っているとブサイクになるよ!」といった負の声かけではなく、たとえば、指を吸わずに眠れたときや、回数が減った際に、「お姉ちゃん/お兄ちゃんになったね!」と思いきり褒めてあげるなど、正の声かけでやめさせることが大切です。歯科治療と同様、自信をもたせれば子どもは成長していきます。
そして、指を吸わないように手を使った遊び(折紙やあやとりなど)を積極的に取り入れたり、質問形式でたくさん話しかけて、おしゃべりさせるなど、ストレスなくやめられるように仕向けて行くといいでしょう。

口呼吸
鼻呼吸の場合、鼻から空気を取り込む際に空気の浄化、加湿、温度調整がなされる。しかし、ロ呼吸を主体とする場合、空気中の雑菌などがそのまま肺に入るため、組織が炎症を起こしやすく、アレルギーなどを発症しやすくなるという報告もあります。
また、口腔内の乾燥によってむし歯のリスクが増加します。口で呼吸するために舌を低位に位置づける癖が生じ、舌で下顎を押すことで反対咬合の原因となる場合もあるります。35歳ごろまでにしっかりとした嚥下・咀嚼機能を身につけることで、その後の良好な顎の成長を迎えるため、正しい鼻呼吸は身体の成長にも大切な役割を担っています。
なお、口唇閉鎖ができない原因には、鼻炎で鼻の通りが悪い、扁桃腺肥大によって気道が狭窄し、通気障害が起きている、口を閉じる筋力が弱い、基質的な問題はないが、口呼吸が習慣化しているなどが挙げられます。の問題は耳鼻咽喉科の受診を勧めるが、を原因とした口唇閉鎖不全は、歯医者で積極的に介入すべきだと考えています。たとえばゴム風船や「吹き戻し」など、遊びながらのトレーニングがストレスなく続けられるので望ましいかとおもいます。

混合・永久歯列期 小学生でも指しゃぶりをしている場合は要注意!

混合・永久歯列期:歳以降

指しゃぶり
歯科的療法としては、タングガードや上顎骨を拡大する可搬式装置などが挙げられる。小学生になっても指しゃぶりが続く場合は要注意である。
学習環境の変化や、弟妹に手がかかり親に構ってもらえない寂しさなど、心理的な要因により引き起こされた場合もあります。まずは、学校での出来事をたくさん聞いたり、親子で一緒に手を使う遊び(お絵描き、塗り絵、ハンドスピナー、プッシュポムなど)を取り入れるといいでしょう。
それでもやめられない場合は、歯科的療法として、タングガードなどが挙げられます。装置に意識をもたせることで口寂しさをなくし、同時に舌などの口腔機能を正しく導くことで顎骨の成長が改善するケースもあります。

口呼吸学童期に入ると本人に指導することが重要なため、「りっぷるくん」を用いて口唇閉鎖力を定期的に測定することも、口を閉じようという本人の意識づけに有効であります。
あわせて、「りっぷるとれーなー」を使用し、口輪筋のトレーニングをするといいでしょう。また、就疫時に口が開いてしまう場合は、「お口テープ」も有効といわれています。最近の調査では、安静時に開口する子どもたちは35%に及ぶと報告されており、この問題は幼少期特有のものではなく、12歳では40%以上に上昇すると報告されています。そのため、学童期以降も、口元の様子と呼吸のチェック、指導は重要であります。お口が少しでも開いていると、低位舌によって上顎骨が正しく成長せず、上顎歯列弓狭窄となるケースが多くなります。
また、乳前歯が脱落する前歯部交換期はとくに舌が突出しやすい状態なため、舌を上顎に接地させる正しい嚥下をしないと異常感下癖が定着しやすくなり、開咬や上下顎前突の原因となる可能性があります。
口が開いていると舌を正しく使えないことが多く、歯列不正に繋がる問題なので、お口ポカンには注意しなければいけないと思います。

最寄り駅が西明石または大久保駅の歯医者「野村ファミリー歯科」院長:野村昌弘