こどもの歯/ドクター

こどもの歯ドクター

乳歯のむし歯を防ぐためにママ・パパが今日からできること

●イヤイヤ期はむし歯になりやすい時期

 ちょうど1歳半~2歳半は乳歯の奥歯が生えそろう時期なのですが、やはり「奥歯のかみ合わせ」や、「歯と歯の間」に汚れが残りやすくなります。それに、だんだん自我が出てきて食生活の変化が起こる時期です。お菓子が好きになったり、ぐずった時などに周りがついお菓子をあげてしまう機会が増えたりすることが主な理由ではないかと言われています。

●イヤイヤ期の子どもに仕上げみがきをするコツ

 最初は環境づくりが最も大切です。仕上げみがきをする人、時間、場所をできるだけ毎日一定にするのがいいですね。そして、痛くしないように手足と頭をギュッと押さえて、短時間でしっかり歯みがきをしてあげること。時間をかけてやるとお子さんも苦痛ですし、イヤイヤは増すばかりです。「歯みがきは嫌いだけど、いつもすぐ終わるなあ」と学んでくれれば、だんだんおさまってくれるはずです。

時期が来れば必ず大丈夫になりますから、安心して今はしっかりみがいてあげてくださいね。

 また、大人が歯みがきをしているところを見せるのも大変効果的です。子供が歯ブラシに親しみを持ったり、歯みがきの真似をしてくれるようになります。できれば歯が生え始める赤ちゃんのころから、お口のスキンシップをとっておくことも大切です。清潔にした手指で口の周りにやさしく触れたり、指で軽く歯ぐきを触ったり、赤ちゃんに気持ち良さを感じさせてあげることからはじめてみるといいですね。

●子どもの歯みがきは回数よりも、1回をしっかりみがくことを意識して

 基本的には、食べたらみがくという習慣付けのために毎食後の歯みがきは行ってほしいです。どうしても毎食後がむずかしい場合は、最低でも1日1回はちゃんとみがいてほしいと思います。タイミングとしては夕ごはんを食べた後から寝る時期がいちばんいいですね。

 むし歯というのは、甘いものを食べたらその場ですぐ穴が開くわけではなく、数週間から数か月単位で進行します。唾液にはむし歯になるリスクを減らす作用があるのですが、寝ている間は唾液の分泌が下がるので、夜はむし歯リスクが高くなります。ですから、毎食後きっちり必ずみがけなかったとしても寝る前の1回はしっかりみがくことが大切です。

●仕上げみがきをするときの正しいやり方

 まず、お子さんをあおむけに寝かせて、ひざの上に頭を乗せ、上からのぞきこむような姿勢で行うといいです。そして、片方の手でお子さんの唇をどけて汚れの残りやすい歯と歯ぐきの境目をきちんとみがけるようにして、もう片方の利き手で歯ブラシを持ちます。特に、上唇の裏側にあるスジ(上唇小帯)に歯ブラシが当たると痛いので、指でガードしながらみがきます。ちなみに、向かい合わせの姿勢は頭が固定しづらいですし、上の奥歯がほとんど見えないので、おすすめしません。

 イヤイヤ期でお子さんの体をおさえつけなければいけない時期には、他の人に手伝ってもらうか、それができなければ自分の太ももでお子さんの頭を挟んで、お子さんの手足は自分の足で押さえ込み、動かないように固定します。

歯ブラシの持ち方については「鉛筆持ち」のほうが角度が付けやすく、力のコントロールがしやすいのでおすすめです。

後は①かむ面、②外側、③内側の順にみがいていく「順番みがき」を推奨しています。